症例 · 審美補綴
前歯の差し歯をやり直した症例|古い差し歯を含む6本をジルコニアベースのセラミック(PFZ)に・日本在住の方
前歯の差し歯は、年数がたつと歯ぐきとの境目が合わなくなったり、色が浮いたりします。この症例では、日本にお住まいの50代の女性の上の前歯6本(古い差し歯4本と犬歯2本)を、ジルコニアの土台にセラミックを焼き付けたPFZクラウンで作り直しました。日本から2回の来院で、そのあいだの約3か月は仮歯で過ごしていただきました。
症例のまとめ
- お悩み:前歯の古い差し歯の色と形を新しくしたい(50代女性・日本在住)
- 診断:上の前歯4本は神経の治療後に土台(ポスト・コア)と古いメタルボンドクラウン。右の犬歯は神経の治療後に土台のみ、左の犬歯はレジンの詰め物。前歯のすき間、ブラックトライアングル、深いかみ合わせ(過蓋咬合)
- 治療:右の犬歯から左の犬歯まで6本をPFZクラウンに。真ん中の2本はすき間が戻らないよう連結
- 治療期間:1回目の来院で古い差し歯の除去・土台の補強・型取り・仮歯 → 約3か月後の2回目で最終装着
- 来院回数:渡韓2回
- 特に注意した点:深いかみ合わせ、上あごの骨の張り出し、色のなじみ

古い差し歯は、どうしてやり直しが必要になるのですか?
金属の上にセラミックを焼き付けたメタルボンド(PFM)の差し歯は、長く使ううちに歯ぐきとの境目が合わなくなったり、金属の色で歯ぐきが暗く見えたりします。境目のわずかなすき間から、中でむし歯が進むこともあります。
この方も、外から見ると色と形が気になる程度でしたが、外してみると中の歯に強い変色と二次むし歯がありました。


古い差し歯を外すと、歯が残せないことはありますか?
あります。外してみると土台が外れていたり、根が割れていたりして、抜歯が必要になることがあります。治療の前に、その可能性と、日本から来院される場合は仮歯で約3か月過ごしていただくことをご説明しました。
この方は、土台が外れたり根が割れたりはしていなかったため、抜歯せずに治療を続けられました。むし歯を取ったあと、明るい色の材料で土台を補強しています。明るい色を使うのは、最終的なクラウンに暗い色が透けないようにするためです。

なぜPFZクラウンを選んだのですか?
深いかみ合わせ(過蓋咬合)で前歯に強い力がかかるため、割れにくい強度が必要でした。同時に前歯なので見た目も大切です。そこで、強いジルコニアの土台に、透明感を出せるセラミックを焼き付けたPFZクラウンを選びました。
- メタルボンド(PFM):内側が金属。歯ぐきの境目に金属が見えたり、歯ぐきが暗く見えたりすることがある
- PFZ:内側がジルコニア。金属を使わず、強度と自然な色を両立しやすい
設計で特に気をつけたことは?
- 上あごの骨が前に張り出していたので、クラウンの表面をできるだけ平らにして、唇が出て見えないようにしました
- 真ん中の2本のあいだのすき間がまた開かないよう、2本をつなげた形にしました
- 歯と歯のあいだの黒い三角形が小さくなるよう、すき間に合わせて形を作りました
- 肌の色とのバランスも見ながら、明るすぎない色を選びました
治療の結果は?
約3か月の仮歯の期間のあと、2回目の来院で6本のPFZクラウンを装着しました。前歯のすき間とブラックトライアングルは小さくなり、色もそろっています。歯ぐきとの境目もぴったり合いました。

日本から通う場合の日程と費用は?
この症例は、渡韓2回(1回目:除去・土台・型取り・仮歯、2回目:最終装着)でした。仮歯の期間は約3か月です。仮歯は本番より外れやすく割れやすいので、硬いものを前歯でかまないようにお願いしています。
費用の目安(1本):前歯のPFZクラウン80万ウォン(約9.5万円)、オールセラミック・ジルコニアクラウン70万ウォン(約8.3万円)。土台が必要な場合は、ポスト15万ウォン(約1.8万円)、コア10万ウォン(約1.2万円)が加わります。2026年10月23日の基準レート(100円=844ウォン)で換算した目安です。
よくある質問
前歯の差し歯は何年くらいでやり直しになりますか?
年数だけでは決まりません。境目のすき間、色、むし歯の有無を定期的に確認し、問題が出てきたときが目安です。
仮歯で日本に帰っても大丈夫ですか?
はい。ただし仮歯は外れやすいので、外れた場合に備えて対処法をお伝えしています。外れたときは公式LINEで写真をお送りください。
ラミネートベニアではだめですか?
この方は前歯がすでに差し歯で、中の歯も弱っていたため、歯全体を包むクラウンが合っていました。差し歯でない歯なら、ラミネートベニアで済む場合もあります。
渡韓前に相談できますか?
はい。レントゲンや歯の写真を公式LINEでお送りいただければ、日本語で事前にご相談いただけます。正確な診断は来院時に行います。
この症例は当院で治療したものです。記事の内容は、矯正歯科専門医の代表院長が監修しています。
監修者
キム・ソンミン(金善敏) セラミック歯科 代表院長
矯正歯科専門医(韓国保健福祉部)、東京医科歯科大学 博士、日本矯正歯科学会 正会員。日本語でのご相談は院長が直接担当します。
ご注意
※ 実際の治療症例です。治療の結果、期間、来院回数には個人差があります。
※ ラミネートベニアやクラウンは、症例によって歯を削る量が変わります。削らない、または削る量を最小限にできる場合もありますが、診断で決まります。装着後にしみる症状、割れや外れ、歯ぐきの変化が起こることがあり、定期的な検診が必要です。
※ 写真は歯の部分のみ、患者さまの同意を得て掲載しています。費用は2026年10月時点のものです。
