ひと目でわかる
向いているケース 外から装置がほとんど見えない矯正を希望される方
治療の流れ 検査・診断 → 裏側の装置の装着(またはコンビ矯正) → 力の方向を計算しながら調整
期間・限界 最初の2〜4週間は舌に違和感があり、発音がもれる感じがあります 詳しい説明 裏側矯正(舌側矯正)は歯の裏側(舌側)に装置を付け、外からほとんど見えない矯正で、抜歯矯正のようにマウスピース矯正では難しい動きにも対応できます。最初の2〜4週間は舌が装置に当たって違和感があり、サ行などの発音がもれる感じがあり、お手入れも表側の装置より難しくなります。笑ったり話したりするときに主に見える上の歯だけを裏側に付け、下の歯は表側に付けるコンビ矯正は、舌の違和感と費用の負担を減らす選択肢です。セラミック歯科では、裏側の装置で前歯を下げるとき、前歯が倒れ込まないよう力のかかる方向を別に計算します。
症例 方法の比較 治療の流れ 向いている方 副作用・限界 よくある質問 費用
01°
見えないように矯正する方法も、一人ひとり違う選び方をしました 職業、かみ合わせの深さ、抜歯の有無によって、上下とも裏側に付けるか、上の歯だけ裏側に付けるかを決めました。代表的な3つのケースを実際の症例でご紹介します。
CASE01
口元が出ていて抜歯が必要で、職業上装置が見えては困るケース コンビ矯正 · 上の歯は裏側+下の歯は表側、小臼歯の抜歯
治療前 · 2022年9月 治療前の横顔。前歯が前に傾いて口元が出て見え、人と会うことの多い仕事のため、装置が見えるのを避けたいと希望されていました。
治療後・2025年5月 治療後の横顔。上の歯の裏側の装置で前歯を後ろへ移動させ、口元が引っ込みました。
状態 歯性の突出、笑ったときに上の歯の装置が見えてはいけない
選択 上は舌側+下は表側の装置(コンビ)、小臼歯の抜歯
行わなかったこと 下の歯の裏側の装置(下の歯は笑ったときに見えにくいため)
期間 約2年10か月
CASE02
八重歯と重なった前歯を、見えないように整えたケース 上の歯の部分裏側矯正+下の歯の部分セラミックブラケット矯正(白い装置) · 非抜歯、歯の間を削る処置でスペースを確保
治療前 · 2022年8月 治療前の口腔内正面。上の中切歯同士が重なっています。
治療中 · 2022年10月 治療中の口腔内正面。上の歯の装置は裏側にあるため正面からは見えず、下の歯には歯の色のセラミック装置を付けました。
治療後 · 2023年10月 治療後の口腔内正面。重なっていた上の前歯がきれいにそろいました。
状態 スペース不足が大きくない八重歯と前歯の重なり
選択 上の歯の部分裏側矯正+下の歯の部分セラミックブラケット矯正、歯の間を削る処置(IPR)
行わなかったこと 抜歯(スペース不足が数mm程度だったため)
期間 約14か月
慣れるまでの期間 発音が楽になるまで通常2〜4週間
CASE03
かみ合わせが深く、下の歯が上の歯の裏側の装置に当たるケース コンビ矯正 · かみ合わせを先に浅くしてから前歯を配列
治療前・2021年6月 治療前。上の歯が下の歯を深く覆っており、上の歯の裏側に装置を付けると下の歯がすぐ装置に当たる状態でした。
治療後 · 2024年3月 治療後。かみ合わせの深さを減らし、前歯をきれいにそろえました。
状態 深いかみ合わせ(過蓋咬合)と前歯の配列の問題
選択 上は舌側+下は表側の装置、かみ合わせの高さを先に調整
行わなかったこと 上下とも裏側の装置(下の歯に付ける場所とかみ合う場所が足りなかったため)
期間 約2年半
注意点 深いかみ合わせは、終了後に再び深くなろうとする傾向があるため、リテーナー(保定装置)を長く使います。リテーナーも、かみ合わせが再び深くならないよう防ぐ形で作ります。
* 写真は同じ条件で撮影し、患者さまの同意を得て掲載しています。治療の結果と副作用には個人差があります。
02°
裏側矯正とコンビ矯正はどう違いますか どちらも装置を見えないようにするための矯正です。違いは下の歯の装置をどこに付けるかで、それによって舌の違和感、発音、費用が変わります。
01 上下の裏側矯正
上下とも歯の裏側に装置を付けます。外からはほとんど見えませんが、舌が上下両方の装置に当たるため最初に慣れるのが最も大変で、費用も最も高くなります。
02 コンビ矯正
笑ったり話したりするときによく見える上の歯だけを裏側に、下の歯は表側に付けます。下の歯の装置は唇に隠れて見えにくいことが多く、舌の違和感と費用が抑えられます。下の歯の表側には歯の色のセラミックブラケットを使います。
上の歯の裏側の装置 上の歯の裏側に付けた舌側装置。舌が当たる側なので、最初の数週間は異物感が大きくなります。
コンビ矯正中 · 2016年2月 コンビ矯正中の口腔内正面。上の歯の装置は裏側にあるため見えず、下の歯にだけ表側の装置があります。笑ったり話したりするとき、下の歯の装置はほとんど下唇に隠れます。
どちらが合うかは、笑ったときに下の歯がどれだけ見えるかと、かみ合わせの深さを見て決めます。舌側装置は歯科技工所に依頼し、患者さまごとにオーダーメイドで製作します。
03°
裏側矯正はこのように進めます 検査からリテーナーまで6つのステップです。裏側の装置であるため、表側の矯正とは違って気を配る点をステップごとに記しました。
検査 精密検査。横顔のレントゲンで前歯の角度と唇の位置を測り、パノラマで根とあごの骨を確認し、iTero(アイテロ)口腔内スキャナーで歯の裏側の面まで3Dで記録します。
STEP 01
精密検査で、かみ合わせの深さと歯の裏側の面を確認します 顔と口腔内の写真、横顔のレントゲン、パノラマを撮影し、歯の模型はiTero(アイテロ)口腔内スキャナーで作ります。裏側矯正では特に、上下の前歯がどれだけ深くかみ合っているか、歯の裏側の面の高さが装置を付けるのに十分かを確認します。
なぜそうするのですか かみ合わせが深いと、下の歯が上の歯の裏側の装置に当たって装置が外れたり、最初の数週間は奥歯がうまくかみ合わなかったりします。下の歯が短いと、下の歯の裏側に装置を付ける場所が足りません。この2点によって、上下の舌側とコンビのどちらを選ぶかが決まります。
設計・製作 装置の位置の設計。歯の裏側の面は形がそれぞれ異なるため、装置を付ける位置と高さを模型上で事前に決めます。
STEP 02
装置の位置を模型上で事前に決め、前歯が倒れ込まないよう力を設計します 歯の裏側の面は凹凸が大きく、人によって形が異なるため、診療台で目で見ながら付けるのは困難です。そのため、コンピューターの3D模型上で装置の位置を先に設計し、トレーを使ってその位置に移して付けます。
なぜそうするのですか 裏側の装置は歯の力の中心より舌側に付いているため、同じ方向に引いても、表側の装置とは歯が傾く方向が異なります。前歯を後ろへ下げるときにそのまま引くと前歯が内側に倒れ込みやすいため、ワイヤーの角度と引く位置を別に計算します。歯にかかる力と回転力を測ってきた私の研究が、こうした計算の土台です。
装着初期 · 2024年10月 装置を付けた初期。舌が当たる部分を確認し、気になる箇所には保護用のワックスをお渡しします。
STEP 03
装置を付けた後、最初の数週間に慣れるまでをサポートします 装置を付けた日に舌が当たる部分を確認し、歯みがきの方法、歯間ブラシの使い方、避けたほうがよい食べ物をご案内します。最初の2〜4週間は舌の異物感が大きく、サ行などの発音がもれる感じがありますが、多くの場合しだいに慣れていきます。
なぜそうするのですか 舌は装置に当たり続けるため、最初はこすれたり、口内炎ができたりすることがあります。ワックスと口腔用軟膏でこの時期を乗り切り、同じ場所が痛み続ける場合は装置の角を整えます。
開始 · 2021年2月 途中 · 2022年5月 後半 · 2022年7月 同じ患者さまの矯正経過(コンビ矯正)。上の歯の装置は裏側にあるため正面からは見えず、下の歯にだけ表側の装置が見えます。
STEP 04
月に1回ワイヤーを替えながら歯を移動させます 通常月に1回ご来院いただき、ワイヤーの交換や調整を行います。裏側の装置は装置同士の間隔が狭く、ワイヤーが表側より硬く感じられるため、ステップごとに力を少しずつ上げていきます。
なぜそうするのですか 裏側は歯と歯の間隔が表側より狭いため、同じワイヤーでも歯により強い力が伝わります。最初から硬いワイヤーを使うと痛みが大きくなり装置も外れやすいため、細いワイヤーから順に交換します。
STEP 05
前歯の角度を確認しながら、かみ合わせを仕上げます 仕上げの段階で横顔のレントゲンを撮って前歯の角度を再確認し、上下のかみ合わせと前歯の先端のラインを整えます。
なぜそうするのですか 裏側の装置で前歯を下げた場合、前歯が計画より倒れ込むことが起こりやすくなります。見た目にはそろって見えても、角度が倒れると前歯が短く見え、かみ合わせが深くなるため、最後に角度を必ず確認します。
治療前 · 2019年10月 装置を外した日 · 2025年7月 仕上げの点検。治療前(左)は深く覆っていた上の歯が、装置を外した日(右)には下の歯を適度に覆い、前歯の先端のラインも均一にそろいました。
固定式 透明なリテーナー 装置を外した後に使うリテーナー。前歯の裏側に付ける細いワイヤー(左)は外から見えず、透明なリテーナー(右)を併用します。
STEP 06
装置を外し、リテーナーで歯並びを保ちます 装置を外して歯の裏側の面をなめらかに整えた後、前歯の裏側に細いワイヤーのリテーナーを付け、透明なリテーナーも一緒にお渡しします。矯正終了後2年間は、リテーナーの点検と調整を矯正費用の範囲内で行います。
なぜそうするのですか 裏側矯正で動かした歯も、ほかの矯正と同じように元の位置に戻ろうとします。特に深いかみ合わせを浅くした場合は再び深くなろうとする傾向があるため、リテーナーを長く使うようご案内します。
* 診療写真は患者さまの同意を得て掲載しています。人によって一時的な痛みや違和感などの副作用が現れることがあります。
装置を付けてから最初の2〜4週間が最も不便で、この時期を過ぎると多くの場合、日常会話に支障がなくなります。
装置が見えては困る度合いと、口の中の条件をあわせて見ます。
笑ったときに下の歯が見える程度 · 笑ったり話したりするときに下の歯がよく見える方には上下の舌側を、ほとんど見えない方にはコンビをおすすめします。かみ合わせの深さ · かみ合わせが深いと下の歯が上の歯の裏側の装置に当たるため、かみ合わせを先に浅くする計画が必要です。下の歯の長さ · 下の歯が短いと、下の歯の裏側に装置を付ける場所が足りないことがあります。発音が重要な職業 · 講義・放送・通訳のように話すことの多いお仕事の場合は、慣れるまでの期間をスケジュールとあわせて計画します。歯ぐきと歯みがきの習慣 · 裏側は歯ブラシが届きにくいため、歯ぐきに炎症がある場合は先に治療します。
裏側矯正(上下) コンビ矯正 セラミックブラケット矯正 インビザライン 見え方 外からほとんど見えない 上の歯の装置は見えず、下の歯の装置はほとんど唇に隠れる 歯の色のブラケットで、金属より目立ちにくい 透明な装置で、近くで縁だけが見える 舌・発音の違和感 最初の2〜4週間が最も大きい 舌側より少ない 唇・頬の内側がこすれる 装置を交換した後1〜2日、発音が変わる お手入れ 最も難しい 上の歯の裏側が難しい 歯間ブラシが必要 装置を外して歯みがきするので簡単 可能な動き 抜歯矯正などほとんど 抜歯矯正などほとんど 抜歯矯正などほとんど ほとんど可能、難しい動きには補助装置が必要 来院間隔 通常月に1回 通常月に1回 通常月に1回 通常2〜3か月 費用 料金表を見る → 料金表を見る → 料金表を見る → 料金表を見る →
06°
このような方に向いており、このような方にはほかの装置が適しています このような方に向いています
職業や状況により装置が見えては困る方 抜歯矯正が必要だが、装置が見えないことを希望される方 マウスピース矯正の装着時間を守るのは難しいが、見える装置にも抵抗がある方 ほかの治療が先です
歯ぐきに炎症がある方:歯ぐきの治療を先に行います むし歯がある方:治療後に装置を付けます 顎関節に痛みがある方:まず痛みを抑えます ほかの装置が適している場合があります
下の歯が短く、裏側に装置を付ける場所が足りない場合 数週間の発音の変化もスケジュール上耐えがたい場合 裏側まで丁寧に歯みがきするのが難しい場合
必ずお読みください
· 舌が装置にこすれて口内炎ができたり、痛んだりすることがあります。通常、最初の数週間が最もつらい時期です。
· 最初の2〜4週間はサ行などの発音がもれる感じがあり、慣れる速さには個人差があります。
· 歯の裏側は歯ブラシが届きにくいため、むし歯や歯ぐきの炎症のリスクが高くなります。
· かみ合わせが深いと、装置が外れたり、最初の数週間は奥歯がうまくかみ合わなかったりすることがあります。
· 前歯を大きく下げる場合は前歯が倒れ込みやすいため、角度を継続して確認する必要があります。
· 歯の根が短くなったり歯ぐきが下がったりする副作用は、装置の種類に関係なく矯正で起こることがあります。
· 装置の製作と診療に時間がかかるため、費用は表側の矯正より高くなります。
裏側矯正は本当に外から見えないのですか? 装置を歯の裏側(舌側)に付けるため、正面や横から会話するときにはほとんど見えません。口を大きく開けたり、上を向いて笑ったりすると、裏側の装置が少し見えることがあります。
裏側矯正をすると、発音はどのくらい不便ですか? 最初の2〜4週間は舌が装置に当たり、サ行などの発音がもれる感じがありますが、多くの場合しだいに慣れていきます。コンビ矯正は舌が当たる装置が上の歯だけにあるため、少し慣れやすくなります。
コンビ矯正は裏側矯正と何が違うのですか? コンビ矯正は、笑ったり話したりするときによく見える上の歯だけ裏側に装置を付け、見えにくい下の歯は表側に付ける方法です。舌の違和感と費用の負担が、上下の裏側矯正より軽くなります。
裏側矯正で抜歯矯正もできますか? できます。抜歯スペースを閉じながら前歯を後ろへ動かす矯正も裏側の装置で行い、前歯が倒れ込まないようワイヤーの角度と引く位置を別に計算します。
裏側矯正は期間が長くかかりますか? 歯を動かす速さは表側の装置と大きく変わりませんが、仕上げの段階の細かな調整に少し時間がかかる場合があります。期間は必要な動きの量によって異なり、検査後にお伝えします。
裏側矯正中に舌が痛いときはどうすればいいですか? 最初は保護用のワックスを装置に付け、口内炎のできた箇所に口腔用軟膏を塗ると、多くの場合1〜2週間以内によくなります。同じ場所が痛み続ける場合は、ご来院いただいて装置の角を整えます。
裏側矯正はなぜ費用が高いのですか? 歯の裏側の面は形がそれぞれ異なるため、装置の位置を模型上で事前に設計して移し付ける工程が必要で、診療のたびの調整時間も長くかかります。詳しい費用は「治療費用のご案内」の料金表に記載しています。
裏側矯正中に食べてはいけないものはありますか? 硬いナッツ類、氷、粘りの強いお餅やキャラメルは装置が外れやすいため、避けたほうがよいでしょう。前歯で直接かみ切るより、小さく切って奥歯でかんでください。
根拠と参考文献
キム・ソンミンほか. Influence of different ligation methods on force and moment generation in a simulated condition of the maxillary crowded anterior dentition with linguo-version and rotation. Bio-Medical Materials and Engineering, 2022. doi:10.3233/BME-211288 (歯にかかる矯正力と回転力の測定) キム・ソンミン院長の研修歴:大韓舌側矯正学会の研修課程を2つ修了(研修課程であり、学会の資格とは異なります)。 院長紹介を見る
COST 費用は「治療費用のご案内」1か所にまとめています歯列矯正の費用を見る →
FROM JAPAN
日本からお越しの方へ よくある質問 渡韓して治療を受ける方からよくいただくご質問です。
裏側矯正の費用の目安はいくらですか? 裏側矯正(上下)は860万ウォン(約102万円)、コンビネーション矯正(上は舌側、下はセラミック)は760万ウォン(約90万円)です。矯正費用には、精密検査、抜歯(親知らずを除く)、ミニスクリュー、基本のリテーナー、2年間の保定管理が含まれます。検査だけを受けて矯正を始めない場合は5万ウォン(CTが必要な場合は10万ウォン)です。リテーナーを後で破損・紛失して作り直す場合は別途費用がかかります。料金は韓国の方と同じで、総額は治療を始める前にご説明します。
料金表を見る 日本から通いながら矯正できますか? 計画を立てれば可能です。ワイヤー矯正は調整のための来院が続き、最初の2回は2週間おき、その後は毎月の来院が必要です。マウスピース矯正は通院の負担が少なく、マウスピースを受け取ったあとは2〜3か月に1回の来院で、来院の合間は気になることがあるときだけ写真で確認します。どの方法が合うかは、診断のときに代表院長が直接ご説明します。
日本語で相談できますか? はい。代表院長キム・ソンミン(矯正歯科専門医)が日本語で直接ご相談・診断を担当します。東京医科歯科大学の矯正科で研修し、同大学院で博士号を取得しました。渡韓前でも、
LINE で歯の写真をお送りいただければ事前にご相談いただけます。正確な診断は、来院して検査を受けていただいたあとに行います。
装置が外れたり痛みが出たりしたとき、また矯正が終わったあとはどうなりますか? 矯正後は歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こることがあるため、リテーナー(保定装置)が必要です。2年間の保定管理は矯正費用に含まれます。帰国後に装置が外れたりワイヤーが当たって痛いときは、
LINE で写真をお送りください。状態を確認して対応をご案内します。修理には来院が必要な場合があります。
※ 治療結果・通院回数・日程には個人差があります。円の金額は2026年10月時点の目安(100円=840ウォンで換算)で、実際のお支払いは為替によって変わります。
治療の結果と副作用には個人差があります。
まずは笑顔の写真でご相談いただいても大丈夫です