症例 · 審美補綴
矮小歯と先天性欠如歯のある前歯を、矯正とセラミック治療で整えた10代後半の症例
小さな前歯(矮小歯)や、生まれつき歯がない(先天性欠如)場合は、セラミックだけで形を整えようとすると無理が出ることがあります。この症例では、10代後半の女性の前歯に4つの問題が重なっていたため、まず矯正でセラミックに必要な場所を作り、そのあとで前歯6本分をセラミックで整えました。すべての歯の神経を残したまま仕上げています。
症例のまとめ
- お悩み:前歯の大きさと並びがふぞろい(10代後半女性)
- 診断:右の側切歯が矮小歯、乳歯が残っている(晩期残存)、右の犬歯が骨の中に埋まっている(埋伏)、左の側切歯が生まれつきない(先天性欠如)。真ん中の2本は周りより大きい
- 治療:①矯正でセラミックのための場所を確保 → ②歯肉整形 → ③仮歯で形を確認 → ④前歯6本分のセラミック(左の欠如部はブリッジ)
- 仮歯の期間:通常1週間〜1か月ほど
- 神経:すべての歯の神経を残して治療

矮小歯・晩期残存乳歯・埋伏歯・先天性欠如とは?
- 矮小歯:ふつうより小さく生えてくる歯。上の側切歯(前歯のすぐ横)によく見られ、すき間やバランスの崩れの原因になります
- 晩期残存乳歯:永久歯がない、または埋まっているために、乳歯が抜けずに残っている状態。乳歯は小さく根も短いため、長く使うには限界があります
- 埋伏歯:骨や歯ぐきの中に埋まって出てこない歯。この方は右上の犬歯が埋まっていました
- 先天性欠如:永久歯そのものが作られない状態。この方は左上の側切歯がありませんでした
左の側切歯がない場所には後ろの犬歯が前に出てきていて、その後ろの小臼歯も空いた場所を埋めるようにねじれていました。問題がひとつずつ影響し合っているため、全体を見て計画を立てる必要がありました。


なぜ先に矯正をしたのですか?
このケースの矯正の目的は、歯をきれいに並べることだけではなく、あとで入れるセラミックがちょうど収まる場所を作ることでした。矮小歯と乳歯のまわりにはセラミックの厚み分のスペースを確保し、ない歯の場所には矯正中も歯の形をした仮の歯をつけて見た目を保ちました。ねじれていた小臼歯も、この段階で整えています。

セラミック治療で大事にしたことは?
- 大きかった真ん中の2本は幅を少し小さくして、周りとの比率を整える
- 矮小歯と乳歯はレジンで土台を補強し、セラミックの保ちを確保する
- 矮小歯と乳歯のまわり、真ん中の2本の歯ぐきを整えて、左右の高さをそろえる
- ない側切歯の場所はブリッジにして、反対側の側切歯と左右対称に設計する
- すべての歯の神経を残す(削る量を必要な部分だけに抑える)
仮歯で何を確認するのですか?
最終的なセラミックを作る前に、通常1週間〜1か月ほど仮歯で過ごしていただきます。形・大きさ・色を実際の顔で確かめ、使い心地もみて、気になる点は最終のセラミックに反映させます。前歯は一度装着すると直しにくいので、この段階が大切です。
治療の結果は?
左右の対称、歯と歯の比率、歯ぐきのラインがそろい、すべての歯の神経を残したまま治療を終えられました。若い方ほどこれから長く使う歯なので、神経を残すことは将来の歯の寿命にとっても大きな意味があります。

渡韓して治療できますか?
この症例のように矯正から始まる治療は期間が長く、定期的な通院が必要です。日本から通われる場合は、矯正を日本で行い、セラミックの段階で渡韓するなど、分け方をご相談ください。セラミックの費用は種類と本数によって変わるため、検査後にご案内します。
よくある質問
矮小歯はラミネートベニアだけで治せますか?
すき間が小さく、かみ合わせに問題がなければ可能なこともあります。この方のように欠如や埋伏が重なる場合は、矯正との組み合わせが必要になることが多いです。
乳歯が残っていても、セラミックで使えますか?
状態によります。根が短いため長く持たないこともあり、レントゲンで根の状態を確認してから判断します。
ない歯は、インプラントとブリッジのどちらがいいですか?
年齢、骨の量、隣の歯の状態で変わります。この方はブリッジを選び、反対側と左右対称に設計しました。
神経は残せますか?
この症例ではすべての歯の神経を残しました。削る量は歯ごとに設計し、必要な部分だけにとどめます。
この症例は当院で治療したものです。記事の内容は、矯正歯科専門医の代表院長が監修しています。
監修者
キム・ソンミン(金善敏) セラミック歯科 代表院長
矯正歯科専門医(韓国保健福祉部)、東京医科歯科大学 博士、日本矯正歯科学会 正会員。日本語でのご相談は院長が直接担当します。
ご注意
※ 実際の治療症例です。治療の結果、期間、来院回数には個人差があります。
※ ラミネートベニアやクラウンは、症例によって歯を削る量が変わります。削らない、または削る量を最小限にできる場合もありますが、診断で決まります。装着後にしみる症状、割れや外れ、歯ぐきの変化が起こることがあり、定期的な検診が必要です。
※ 写真は歯の部分のみ、患者さまの同意を得て掲載しています。費用は2026年10月時点のものです。
