症例 · 矯正歯科
先天性欠如歯(下の歯3本)を、インプラントなしで矯正だけで閉じた症例|口ゴボも一緒に改善
生まれつき歯がない(先天性欠如)と、インプラントしか方法がないと思われがちです。この症例では、下の歯が3本ない20代の男性に対し、インプラントを使わず、矯正だけで欠如のすき間を閉じました。同時に、前に出ていた口元(口ゴボ)と、歯並びの乱れ、深いかみ合わせも改善しています。
症例のまとめ
- お悩み:口元が出ている、歯並びがガタガタ。インプラントの手術は怖いので避けたい(20代男性)
- 診断:先天性欠如(下の左右の側切歯、左下の第二小臼歯の計3本)、歯並びの乱れ、正中のずれ、軽い口元の突出、過蓋咬合
- 治療:上の左右の第一小臼歯を抜歯し、ワイヤー矯正で前歯を後ろへ。下は欠如のすき間を閉じる。過蓋咬合には前歯のかみ合わせ用プレート、必要に応じてアンカースクリュー
- 治療計画時の予定期間:約2〜2.5年(予定)
- 親知らず:上下がかみ合っていた左の親知らずは抜かずに並べて使う

先天性欠如歯は、必ずインプラントが必要ですか?
いいえ。残っている歯の位置と骨の状態が合えば、矯正ですき間を閉じる方法も検討できます。下の側切歯や第二小臼歯は、先天性欠如の中でも比較的よく見られる歯です。
この方はインプラントの手術に強い不安があり、しかも口元の突出と歯並びも一緒に治す必要がありました。私は、矯正ですき間を閉じれば、インプラントや補綴を追加せずに自分の歯だけで機能を回復できると考え、この方法を選びました。


どのように治療計画を立てましたか?
- 上の左右の第一小臼歯を2本抜歯し、そのスペースで前歯を後ろへ下げて口元の突出を改善
- 下は欠如のすき間を閉じ、上下の真ん中を合わせる(ただし左右で欠如の本数が違うため、完全な左右対称は目標にしない)
- 過蓋咬合には、前歯で使うプラスチックのかみ合わせ用プレートを使用
- 必要に応じてアンカースクリュー(ミニスクリュー)で真ん中を調整
- 上下がかみ合っていた左の親知らずは、抜かずに並べて使う
左は2本、右は1本歯がないため、もともと左右の条件が違います。そこで、完全に左右対称にすることよりも、かみ合わせと見た目のバランスを優先しました。
治療中はどんな様子でしたか?
上下に装置をつけ、前歯のかみ合わせ用プレートも一緒に使いました。抜歯したスペースを使って歯を並べながら、上の前歯を少しずつ後ろへ移動し、下では欠如のすき間をゆっくり閉じていきました。

治療の結果は?
上の抜歯スペースも、下の欠如のすき間も、すべて閉じました。前に出ていた上の前歯は内側に入り、口元の突出も改善しています。深すぎたかみ合わせは適切な深さになり、上下の真ん中もそろいました。何より、インプラントを使わず、ご自身の歯だけで歯列を完成できたことがいちばんの成果です。


海外から矯正に通えますか?
矯正治療は期間が長く、定期的な調整のための通院が必要です。海外にお住まいの方は、通院の頻度と期間を含めて、治療を始める前にご相談ください。費用は装置と期間によって変わるため、検査後にご案内します。
よくある質問
歯がない部分は、全部矯正で閉じられますか?
歯の位置、骨の量、かみ合わせによります。閉じられない場合は、インプラントやブリッジを組み合わせることもあります。
抜歯矯正で口元は下がりますか?
抜歯したスペースで前歯を後ろへ移動すると、口元の突出が改善することが多いです。どれだけ下がるかは骨格と歯の傾きで変わります。
親知らずは抜かなくていいのですか?
この方は左の親知らずが上下でかみ合っていたため、抜かずに並べて使いました。状態によって判断します。
治療後に気をつけることは?
歯は元の位置に戻ろうとするので、保定装置(リテーナー)を指示どおりに使うことが大切です。
監修者
キム・ソンミン(金善敏) セラミック歯科 代表院長
矯正歯科専門医(韓国保健福祉部)、東京医科歯科大学 博士、日本矯正歯科学会 正会員。日本語でのご相談は院長が直接担当します。
ご注意
※ 実際の治療症例です。治療の結果、期間、通院回数には個人差があります。
※ 矯正治療中は、一時的な痛みや違和感、歯ぐきの下がり、歯根吸収が起こることがあります。治療後に保定装置(リテーナー)を使わないと後戻りすることがあります。アンカースクリュー(ミニスクリュー)は、周りの炎症や脱落が起こることがあります。
※ 写真は歯とレントゲンの部分のみ、患者さまの同意を得て掲載しています。
