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親知らずは抜くべき?神経に近い場合は?

アン・イルソプ院長診療 アン・イルソプ院長(歯周病専門医・統合歯科専門医)・監修 アン・イルソプ院長院長紹介を見る →

最終確認 2026年10月29日・アン・イルソプ院長(歯周病専門医・統合歯科専門医)

ひと目でわかる

向いているケース
炎症をくり返す、手前の奥歯を傷める、矯正の妨げになる親知らず
治療の流れ
X線・3D CTで神経までの距離を確認 → 抜歯 → 1週間〜10日後に抜糸
期間・限界
まっすぐ生えていて問題がなければ経過観察できます。神経損傷のリスクが高い場合は大学病院をご案内します
詳しい説明

すべての親知らずを抜く必要はありません。親知らずのまわりの歯ぐきの炎症をくり返す、手前の奥歯にむし歯や根の損傷を起こしている、嚢胞(のうほう)ができている、矯正計画の妨げになる場合は、抜いたほうがよいです。まっすぐ生えてよく磨けている、または骨の中に完全に埋まっていて問題がない場合は、定期的なX線で経過を見ることができます。横向きに埋まっている、または下顎管(下あごの神経の通り道)に近い親知らずは、バテック(Vatech)の3D CTで神経までの距離を確認して方法を決めます。神経損傷のリスクが高い場合は、大学病院での診療をご案内します。抜歯は韓国の国民健康保険の適用対象(加入者の場合)で、抜糸は通常1週間〜10日後に行います。

01°

抜くかどうか、どう抜くか、当院で抜いてよいかを画像で判断しました

同じ下の親知らずでも、生えている程度、傾き、下顎管までの距離によって判断が異なりました。抜いたケースと抜かなかったケースをあわせてご紹介します。

CASE01

半分だけ生えて、歯ぐきがたびたび腫れていた下の親知らず

抜歯・歯ぐきに覆われたすき間に食べ物が詰まり、炎症をくり返したケース

左の上下の親知らずをオレンジの丸で示した抜歯前のパノラマX線の拡大抜歯前・2026年3月
パノラマX線。親知らずが半分だけ生えて奥側が歯ぐきに覆われており、そのすき間に食べ物が詰まって歯ぐきが何度も腫れたとのことでした。オレンジの丸が抜いた親知らず(下 #38、上 #28)です。
同じ部位の抜歯約2か月半後のパノラマX線の拡大、抜いた部位を点線で表示抜歯の約2か月半後・2026年7月
抜いたあと治った状態。炎症が落ち着いた時期を選んで抜き、手前の奥歯の後ろ側が磨きやすくなりました。点線が抜いた部位です。
状態
半分だけ生えた下の親知らず、まわりの歯ぐきの炎症をくり返す
選択
先に炎症を抑えてから抜歯
行わなかったこと
3D CT(パノラマX線で下顎管から十分に離れて見えたため)
期間
抜歯1回、抜糸1回
注意点
抜いたあと2〜3日は腫れや痛みが出ることがありました。腫れと痛みはふつう1週間以内に治まり、抜いた部分の歯ぐきは2〜3週間後に治ります。

CASE02

手前の奥歯の方へ傾いてむし歯をつくった埋伏した親知らず

分割して抜歯+手前の奥歯の治療・親知らずが手前の奥歯の後ろ面を押してむし歯をつくったケース

左下の親知らずが手前の奥歯の方へ傾いているパノラマX線の拡大抜歯前・2026年8月
X線写真。親知らずが手前の奥歯の方へ傾いて後ろ面に当たっており、当たった部分にむし歯の影が見えました。
傾いた下の親知らずのすぐ下を下顎管が通る3D CTの矢状断面3D CT断面
3D CT断面。傾いた親知らずのすぐ下を下顎管が通り、ほとんど接していました。神経の方へ力がかからないよう、親知らずを分割して取り出すことにしました。
状態
横向きに埋伏した親知らず、手前の奥歯の後ろ面のむし歯、ときどき痛み
選択
歯ぐきを開いて親知らずを分割して抜歯、その後手前の奥歯のむし歯治療
行わなかったこと
そのままにしておくこと(手前の奥歯のむし歯が大きくなり続けるおそれがあるため)
期間
抜歯1回、抜糸1回、手前の奥歯のむし歯治療1〜2回
注意点
手前の奥歯の後ろ側の骨が回復するまで時間がかかるため、数か月後にX線で再確認します。

CASE03

下顎管と重なっていても問題のなかった親知らず

経過観察・骨の中に完全に埋まっていてまわりに問題がないため抜かない

下の左右の親知らずをオレンジの丸で示したパノラマX線パノラマX線・2026年8月
パノラマX線。症例2と同じ方です。下の左右の親知らず(#38・#48、オレンジの丸)の根が下顎管の影と重なって見えたため、3D CTで実際の距離を確認しました。左下(#38)は手前の奥歯のむし歯のため症例2のとおり抜き、右下(#48)はまわりに問題がないため経過を見ることにしました。
状態
完全埋伏、下顎管と接している、症状とまわりの問題なし
選択
抜かずに定期的なX線で経過観察
行わなかったこと
予防目的の抜歯(神経損傷のリスクが利点より大きいため)
期間
定期検診のときに確認
注意点
将来、炎症や嚢胞ができた場合は、大学病院での診療も含めてあらためてご相談します。

* 写真は同じ条件で撮影し、患者さまの同意を得て掲載しています。治療の結果と副作用には個人差があります。

02°

抜いたほうがよい親知らず、経過を見てもよい親知らず

抜いたほうがよいです

  • 親知らずのまわりの歯ぐきの炎症をくり返す
  • 手前の奥歯の後ろ側にむし歯や根の損傷ができた
  • 親知らずのまわりに嚢胞ができた
  • 半分だけ生えて食べ物が詰まり、磨けない
  • 矯正計画上必要(キム・ソンミン院長と一緒に判断)

ほかの医療機関のほうがよい場合があります

  • CTで、親知らずを抜く際に下顎管の壁を傷つける可能性が高いと判断した場合は、無理をせず大学病院での診療をご案内します。
  • 血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は、処方した医師と先に相談します

今は抜かなくても大丈夫です

  • まっすぐ生えきって、かめてよく磨ける親知らず
  • 骨の中に完全に埋まって症状がなく、まわりに問題のない親知らず:定期的なX線で確認します

英国国立医療技術評価機構(NICE)の親知らず抜歯のガイダンスも、問題のない埋伏した親知らずを予防目的で一律に抜くのではなく、炎症やむし歯などの問題があるときに抜くよう勧めています。

03°

親知らずは、傾き方と神経までの距離によって難しさが異なります

01まっすぐ生えきった親知らず

ほかの奥歯と同じように歯ぐきの上に生えきっている場合です。抜く必要がある場合も、多くは歯ぐきを開かずに抜くことができます。

02一部が歯ぐきに覆われた親知らず

一部だけ生えて奥側が歯ぐきに覆われている場合です。覆われたすき間に食べ物が詰まり、炎症が起きやすくなります。

03骨の中で横向きになった埋伏した親知らず

手前の奥歯の方や横向きに傾いて、骨の中に埋まっている場合です。歯ぐきを開き、親知らずを2〜3つに分割して抜きます。

04下顎管に近い親知らず

下の親知らずの根が下顎管に接している、または重なっている場合です。3D CTで実際の距離を見て、方法と場所を決めます。

上の親知らずは、鼻の横にある空洞(上顎洞)に近いかどうかを確認します。

04°

親知らずの抜歯はこのように進めます

確認から治ったあとの点検まで、7つのステップです。写真は実際の検査画面で、一部は説明用のイラストです。

問診票と薬袋を広げて服用中の薬を確認する説明用イラスト確認
服用中の薬と病歴の確認。血液をサラサラにする薬、骨粗しょう症の薬、糖尿病など全身の状態を先にうかがいます。

STEP 01

症状と服用中の薬を先に確認します

いつから腫れたり痛んだりしているか、今炎症があるかを見ます。血液をサラサラにする薬、骨粗しょう症の薬、糖尿病、妊娠の有無をうかがい、必要に応じて処方した医師と先に相談します。

なぜそうするのですか血液をサラサラにする薬は血が止まりにくくなり、一部の骨粗しょう症の薬は骨が治るのを遅らせることがあります。抜歯の日程と方法がここで変わります。
上下4本の親知らずが見えるデジタルパノラマX線パノラマX線
デジタルパノラマX線。4本の親知らずの位置、傾き、根の形、下顎管の影との関係を一度に見ます。

STEP 02

パノラマX線で位置と傾きを見ます

デジタルパノラマX線で、親知らずがどれだけ生えているか、どちらに傾いているか、根が何本で曲がっているか、手前の奥歯にむし歯をつくっていないかを見ます。根が下顎管の影と重なって見える場合は3D CTを撮影します。

なぜそうするのですかパノラマX線は立体を1枚の平面に広げた写真なので、重なって見えても実際には離れていることがあります。重なって見える場合のみ、CTで実際の距離を確認します。
傾いた左下の親知らずと下顎管を赤い線で示した3D CTの4方向画面3D CT
3D CT断面。親知らずの根と下顎管の距離を複数の断面で測り、下顎管が根のどちら側を通っているかを見ます。赤い線が下顎管です。

STEP 03

必要に応じて3D CTで神経までの距離を測ります

バテック(Vatech)の3D CTで、下の親知らずの根と下顎管のあいだに骨が残っているか、下顎管が根の外側・内側・あいだのどこを通っているかを見ます。上の親知らずは上顎洞の底との距離を確認します。

なぜそうするのですかCTで距離を見るのは、リスクをなくすためではなく、リスクを前もって知って方法を選ぶためです。距離によって、抜く方向、分割する位置、当院で行うか大学病院で行うかが変わります。
パノラマX線とCT断面をモニターで見ながら、下顎管の位置を指して説明するイラスト説明・決定
検査画面を見ながら説明する様子。抜くかどうか、どの方法でどれくらいかかるか、どんなリスクがあるかをお伝えします。

STEP 04

抜くかどうか、どのように、どこで行うかを一緒に決めます

抜いたほうがよいか、経過を見てもよいか、抜く場合は予想される時間と腫れ、神経・上顎洞に関するリスクをご説明します。リスクが高いと判断した場合は、大学病院での診療をご案内します。通常は左右どちらか片側ずつ、その側の上下の親知らずを一度に抜きます。抜く範囲もこのとき一緒に決めます。

なぜそうするのですか親知らずの抜歯は、抜く瞬間よりも判断が大切です。抜かなくてよい親知らずを抜けば、リスクだけを負うことになります。抜くべき親知らずを先延ばしにすると、手前の奥歯まで失うことがあります。
ガーゼの上に置かれた、3つに分割して抜いた埋伏した親知らずのイラスト抜歯
分割して抜いた埋伏した親知らず。骨を削る量を少なくするため、親知らずを2〜3つに分けて1つずつ取り出します。

STEP 05

麻酔のあと、必要に応じて親知らずを分割して抜きます

十分に麻酔をしたあと、生えきった親知らずはそのまま抜きます。埋伏した親知らずは歯ぐきを開き、親知らずを2〜3つに分割して、下顎管から遠い方向へ1つずつ取り出します。抜歯にかかる時間は難しさによって異なり、麻酔を含めてふつう10〜30分ほどです。

なぜそうするのですか丸ごと取り出すにはまわりの骨を多く削る必要があり、その分腫れや神経側への圧力が大きくなります。分割して取り出せば、骨を削る量が少なく、神経側へかかる力も小さくなります。
抜歯後にガーゼをかんでいる口元の案内イラスト縫合・ご案内
抜歯後にガーゼをかむ様子。歯ぐきを縫ったあとガーゼをかんでいただき、注意事項は紙でもお渡しします。

STEP 06

縫合し、ご自宅で守っていただくことをお伝えします

歯ぐきを縫い、ガーゼをかんでいただきます。抜糸は通常1週間〜10日後です。下の注意事項を守ると、腫れやドライソケットのリスクを減らせます。

  • ガーゼは30分〜1時間ほど、しっかりかんでいてください。
  • 唾液や血は吐き出さず、飲み込んでください。ストロー、喫煙、飲酒は数日控えてください。
  • 初日は頬の外側から冷やしてください。腫れはふつう2〜3日目がいちばん強くなります。
  • 処方された薬を飲み、反対側でかんでください。
なぜそうするのですか抜いた部分にできる血の塊が骨を覆い、傷を治します。強く吐き出したりストローで吸ったりするとこの血の塊が取れ、骨が露出するドライソケットになることがあります。
右下の親知らず抜歯約6か月後のパノラマX線の拡大、抜いた部位を点線で表示抜歯の約6か月後・2026年9月
治ったあとの点検。抜いた部分がきちんと治ったか、手前の奥歯の後ろ側の骨とむし歯はどうかを確認します。点線が抜いた #48 の部位です。

STEP 07

抜糸をして、手前の奥歯まで確認します

抜糸のときに、治り具合と感覚の異常がないかを確認します。親知らずのせいで手前の奥歯にむし歯があった場合は、この時期に治療を続けます。

なぜそうするのですか横向きの親知らずが手前の奥歯を長く押していた場合、手前の奥歯の後ろ側の骨や歯が傷んでいることがあります。親知らずを抜く目的は、結局のところ手前の奥歯を守ることです。

* 診療写真は患者さまの同意を得て掲載しています。個人差により、一時的な痛みや違和感などの副作用が現れることがあります。

05°

このようなときはすぐにご連絡ください

  • ガーゼをもう一度かんでも血が止まらないとき
  • 3〜4日後にかえって痛みが強くなったり、耳の方まで痛むとき(ドライソケットの疑い)
  • 唇、あご、舌の感覚の異常が続くとき
  • 熱が出たり膿が出たりするとき、口がだんだん開かなくなるとき

06°

リスクと限界

必ずお読みください

・腫れ、痛み、あざが出ることがあり、数日間口が開きにくくなることがあります。

・抜いた部分から血の塊が取れると、骨が露出して痛むドライソケットになることがあります。

・下の親知らずでは、唇、あご、舌の感覚の異常が起こることがあります。多くは時間とともに戻りますが、まれに長引いたり残ったりすることがあります。

・上の親知らずでは、上顎洞とつながる穴ができることがあります。

・抜いたあと、手前の奥歯がしばらくしみることがあります。

・CTで距離を確認しても、リスクが0になるわけではありません。リスクを前もって知り、方法を選ぶことが目的です。

07°

矯正中、または矯正を計画中の方へ

矯正前や矯正中に親知らずを抜くかどうかは、矯正計画によって異なります。奥歯を後ろへ移動させる計画であれば、親知らずの場所が必要なため先に抜くことがあり、親知らずが問題を起こしていなければそのままにすることもあります。そのため矯正中の患者さまは、矯正歯科専門医のキム・ソンミン院長と一緒に決めます。矯正の診断時にパノラマX線と、必要に応じてCTで親知らずの位置と向きを見て決めます。

FAQ

よくある質問

痛みのない親知らずも抜くべきですか?
痛みがなく、まわりにむし歯、炎症、嚢胞などの問題がない親知らずは、定期的なX線で経過を見ることができます。ただし、痛みがなくても手前の奥歯の後ろ側にむし歯をつくっている場合は、抜いたほうがよいです。
この質問について詳しく見る →
埋伏した親知らずの抜歯はとても痛いですか?
埋伏した親知らずも十分に麻酔をしてから抜くため、抜歯中の痛みは多くの場合それほど強くありません。抜いたあと2〜3日は腫れや痛みが出ることがあるため、処方された薬を飲み、冷やすと楽になります。
この質問について詳しく見る →
親知らずが神経に近いと言われましたが、大丈夫ですか?
パノラマX線で下顎管と重なって見える場合は、3D CTで実際の距離と下顎管の通る位置を確認します。リスクが高い場合は、抜き方を変える、抜かずに経過を見る、または大学病院での診療をご案内します。
親知らずを左右一度に抜けますか?
左右を一度に抜くと数日間かむ側がなくなるため、通常は片側ずつ抜きます。同じ側の上下を一度に抜くかどうかは、難しさと回復を見て決めます。
妊娠中でも親知らずを抜けますか?
妊娠中は、急ぎでなければ出産後に延ばすのが原則です。炎症が強く治療がどうしても必要な場合は、産婦人科と相談して時期と薬を決めます。
矯正の前に親知らずを必ず抜く必要がありますか?
矯正計画によって異なります。奥歯を後ろへ移動させる必要があれば先に抜くことがあり、そうでなければそのままにすることもあるため、矯正歯科専門医と一緒に決めます。
親知らずの抜糸はいつですか?
親知らずの抜歯後、抜糸は通常1週間〜10日後に行います。そのときに治り具合と感覚の異常がないかもあわせて確認します。
親知らずの抜歯も健康保険の対象ですか?
親知らずの抜歯は、埋伏した親知らずを含めて韓国の国民健康保険の適用対象です(加入者の場合)。費用は難しさと検査によって異なるため、「治療費用のご案内」と検査後のご説明でご確認ください。

根拠と参考文献

COST費用は「治療費用のご案内」1か所にまとめていますむし歯・根管治療の費用を見る →

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韓国にお住まいの方へ

韓国にお住まいの外国人の方からよくいただくご質問です。

韓国の国民健康保険は使えますか?
韓国の国民健康保険に加入している方は、保険が適用される治療をほかの加入者と同じ基準で受けられます。適用されるかどうかは治療内容と保険の基準によるため、治療前にご案内します。加入していない場合は全額自己負担です。
日本語で診てもらえますか?
日本語でのご相談は、代表院長キム・ソンミンが直接担当します。
予約はどうすればいいですか?
LINEでご連絡いただくか、お電話(+82-2-517-0002)でご予約ください。
短い渡韓の間でも、この治療は受けられますか?
治療に必要な来院回数によります。親知らずの抜歯は1回の来院で、抜糸は通常1週間〜10日後です。ご連絡の際に渡韓の日程をお知らせいただければ、ご希望の日程で治療が可能かどうかを、検査のあとにご案内します。

※ 治療結果・通院回数・日程には個人差があります。円の金額は2026年10月時点の目安(100円=840ウォンで換算)で、実際のお支払いは為替によって変わります。

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